To the boundless heart , Than a limited thing

〜 限りあるものより、限りない心へ 〜

誰に向けて何を書くか

 

>いかにして何を書くか。

ある著者ばかり追いかけていると、他の著者と同じタイトルの本に当たることがある。

「〜私感」「文章読本」「自伝」

小説であろうがエッセイであろうが、著者は自分の心に訴えてきたものを送り出している。だから読み手は、著者の人となりや印象ではなく、書いたものをこそ汲み取る方が良いと師から聞いた。

 

 

>誰に向けて書くか。

師の言葉を続ける。

他者に分かってもらおうとして書くのではない。自分の心に強く強く訴えかけるものを、万難を排して形とする作業を続けるのだ。抵抗無く生み出すのではなく、他者の批判にさらされ、自分の未熟さと愚かさに地を這いずり回るほど苦しみ、恥じ入り、克服しようとする中で磨かれた言葉を紡がなければならない。

強いて自分の読者を始めから想定するとすれば、2人しかいないという。

ある特定の1人。もしくは10年前の自分。

 

 

>何を書くか。

10年前の自分に語れることは、あるかもしれない。

もっと遊べば、勉強すれば、ちがう道を選んでいれば、

そもそも違う考えをしていれば、、、

 

***

 

モノを書くと言うのは、言葉によって相手の行動を促すという

言わば「力の行使」なのだとも聞いた。

 

***

 

語っても話しても伝わらないのは、こちらの力不足か。

下り坂を転がって行くのに気づかせてやれないのは、

あと半歩進めば踏み外すと分かっているのに止められないのは、

どれだけ力が無かろうと、周りに流されようとも、負の傾きを止める試みを怠るのは、

自分の不足か。

 

それとも、自分の見方と、相手の視点が違うだけか。

 ただの高慢か。

 

どちらでもあるんだろう。

 

言葉は、難しい。